「ではまた~」


小畑先輩は他の秘書たちの輪に戻ってゆく。


私のコトなんて小畑先輩は気にも留めない。



名前だって憶えていないかもしれない。



本社には500人の社員がいるし…一人の一人の名前なんて憶えていられないと思うけど。



「小畑のヤツ…染中のコト…全然気付いてないね~」



「別に…気付いてくれない方がいいです・・・」


気付かれても…もう私は有澤先輩の彼女でも何でもない。