「悪いコトだって分かっているけど・・・」
「…私の行動も正しいとご理解して頂けましたね」
勝ち誇ったような微笑を浮かべる栗原さん。
何だかブラックホールみたいにどす黒い笑い。
栗原さんって…私と祐早斗さんの仲を知る人の中でいちばんヤバイような気がして来た・・・
「・・・安心して下さい…社長と染中さんのコトがまだ会長に言いません…」
彼は私の心を読んでいた…
「・・・」
彼の言葉で私の背筋に戦慄が走り抜ける。
「そう怯えないで下さいよ…染中さん…」
栗原さんの低い声が室内に響く。
デスクは隣同士。
栗原さんが立ち上がった途端…私の肩がビクンと反応する。