栗原が入って来た。


「救急車を呼んだ方がいいか??」


「……」


栗原は冷静に気を失った美苑を見つめる。


「別に大丈夫ですよ~染中さん…寝てるだけみたいです」


「寝てる???」


「寝かせておけばいいですよ…でも…身体の上に羽織るモノを持ってきます」


「・・・」


うろたえている俺とは逆にこの状況にも全く動じない栗原。


何処からともなく持って来たタオルケットを美苑の身体の上に掛けた。



「社長…染中さんのブラウスのボタン二つ外しておいて下さい…苦しがっては
困りますから」