「お、おいっ!?栗原…今…お前に辞められたら…俺も美苑も困る…」



「…そんなコト…俺の知ったコトじゃない…」



栗原はネクタイの結び目に指を掛けて緩める。



「…ここはオフィス…それも社長室…仕事とプライベートを一緒にされては困ります」



「分かった…分かったから…考え直そう…栗原」



俺の説得で何とか栗原の足止めに成功した。



俺だって分かっているんだけどーーー・・・




美苑を見ていると…仕事が疎かになってしまう。



「染中さん…君はさすが…経理課だね」




栗原が美苑を珍しく褒めていた。