美苑が秘書になって3日目ーーー・・・


「…コーヒーの味はOK…服装も社長の見立てで…秘書らしくなりましたね…しかし…秘書としてのスキルは…」



栗原の評価は低い。



「まぁ、お前が居るし…」



「…私を頼られては困ります…私だって…社長の引継ぎで手が一杯なんですよ!」



沈着冷静で単調な声の栗原が感情を出すなんて…よっぽどのコトだな…




「ゴメンなさい…栗原さん。私が秘書として未熟なもんだから…」



「…分かってるなら…君は今すぐ…会社を辞めなさい…」



「おい、栗原…お前がどんなに有能な秘書でも会社の雇われ秘書だ。でも、美苑は…この会社の正社員だ。雇用者はこの俺だ…お前に命令する権利はない!」



「・・・では…私が辞めます!短い間でしたが…お世話になりました。祐早斗社長」



栗原が突然、手の平を返した。