「俺と一晩付き合ったら…返してあげる」


「それは出来ない…」


いい人だと思ったけど…その一言で芦沢君の人間性は格下げ。


「悪ふざけはいけません!」


誰かが私の後ろに立って芦沢君の顔にスプレーを噴射。


芦沢君の手から眼鏡を奪って私の左手を掴んだ。


人混みの中に逃げ込み…横断歩道を渡り切る。


「心配しないで下さい…芦沢にかけたのは唯の催涙スプレーです」


私を助けてくれたのは…栗原さんだった。