「もしもし夏香ぁ?」


「ハァ!?」


まぎれもなく、出たのは優。


「アンタどこで何してんの!?」


「結構遠く。隣の県」


「バカかよ……」


「そしたら涼花に会った。利用したー」


「乙女の恨みは怖いよー」


「でさ、夏香。迎えに来て?」


やっぱりかよ。


「チッ。わーったよ」


「じゃ、駅で待ってるよー」


――――――プッ、プープープー……



会える。やっと、会える。


顔がゆるんでいたかもしれない。


すごく大きな安心感に包まれていたのは確かだった。