「見てないの?メール」 急に哀に満ちた目になった。 泣き顔は見たことあるけど、それとは違う。 イヤなほど知ってたと思ってたのに……。 まだ優には、私の知らない優がいる、ってやつかな。 「ね、メ・ー・ル!」 うん、でも基本は普通の優だね。 「メール!? あんた、何か変な内容でも、書いたわけ」 「変って……」 つっかえた。 「書いたんだ?」 「書いてないっ!!」 そう言うと、そそくさと外へ出て行った。 「めんどくせー」