「………そう、ですね」 冷静になったっぽい涼花ちゃんが納得してくれた。 一安心、一安心。 「夏香、帰ろ」 優は私の意思を読み取ったらしく、言った。 厳かに、お開きとなった。 「なーつかぁ」 疲れ切ったな、コイツは。 「何かおごって」 「お前女子にカネ出させる気か」 「別に?」 「じゃぁ自分で払え」 「…財布家に置いてきた」 …それじゃ完全なるバカだろ。 「じゃ、諦めろ」 いつもみたいな、ぐーたらした会話をして、家に帰った。 (知らないアドだ……?)