お願い、こっち来ないで?



相変わらず、静か(っぽい)涼花ちゃん。


喫茶店に着いてもなかなか口を開かない。


怖気付いたか。


それとも、今になって私が空手で全国10位に入ったのを思い出したか。



どっちにしても、沈黙は嫌だった。


「ね、なんか用あるんでしょ?」


催促してみた。


「宮本先輩、返してください」


一体いきなり何を言い出すんだコイツは。


「別に付き合ってなんかいないけどぉ?」


かったるく言ってみる。


「宮本先輩に、私の学校へ帰ってくるように、言ってください」


言ってください?


言ってくれますか、と言うはずだ。


それが命令系な?


さっきから目を逸らしっぱなしだったのを止めて、相手を見たら……






そこにいたのは、大人しそうな顔した涼花ちゃんじゃなくて、






嫉妬に満ち溢れた”鬼女”と呼ぶべき人。