相変わらずあたしの一歩前を歩くリョウ。
その背中は大きくて、あたしには届かない…

リョウはモテる。
めちゃくちゃモテる。

でもリョウは、気付いてない。リョウは鈍感だからね。

不良のくせにとても、優しい顔で笑う。
その笑顔を見ればだれだって、リョウに恋しちゃう。
たまり場に着くと、ガラの悪い男女が20人くらいで集まっていた。

「うぃーっす!」

一歩前を歩くリョウが皆に声をかける。
すると、全員がリョウに
あいさつをする。
やっぱりリョウは人気者だ。

「リョウ、遅かったじゃねーか。どこ行ってたんだよ」

このたまり場の、1番偉い人…『レン』さんがリョウに声をかけた。

「スミマセン。こいつ迎えに行ってました」
リョウは一歩後ろににい
あたしの腕を掴んでグイッっと引っ張った。
わぁっ…

「あれ?美優ちゃんじゃん久しぶり〜。今日は、リョウに迎えに来てもらったんだね?」

そう…迎えに来てくれるのは、リョウだけじゃない。
あたしのために、いろんな人が迎えに来てくれる。

「お久しぶりです」
レンさんにペコッと頭をさげる。