その晩僕は、春ちゃんの部屋で過ごした。

「ん…。秋斗、寝ないの…?」
ふと目線を下に向けると、いつの間にか起きた春華ちゃんが僕を見上げていた。
「ん、寝るよ。春ちゃんはゆっくり休んで」
「うん。…お休み、秋斗」
うん、そう返すと春ちゃんは眠りに付いた。

「…ふぅ」
春ちゃんは小さな頃に受けたいじめが原因で家族と僕以外の人間に心を開けないでいる。

「…春ちゃん」
気持ち良さそうに寝息を立てる春ちゃんに向かって語りかける。
「大丈夫だよ。僕が、春ちゃんを守ってあげる…」

言って僕は、ソファで眠った。