シンフォニー4 罰



冷たい海風が美佳の頬を滑る。

(あたし・・・今・・・どこにおるんだっけ・・・)

左右の感覚がない。もちろん上下も分からない。
無重力のような空間の・・・闇の中。

寒い。

窓を閉めて。そう言う少女の声が小さく遠く耳に入った。

「風吹、風吹」

それから一秒としないうちだった。山崎先生が自分を呼ぶ声を聞いたのは。