「あっ、これ時間移動のパイじゃん! これを食べれば戻れるんだぁ」

言うが早いか美佳はパイを受け取り、すぐさま口に運んだ。

「もう結果も分かっとるんだし・・・ふふ。りおん君と旅行だぁ。楽しみー」

「戻らんよ」

美緒奈が囁いた。

「え?」

時、すでに遅し。

美佳はそのパイの効力で、また新たな時空へ投げ出されていた。
美緒奈の言葉、不敵な笑みの真意は分からないままになってしまう。

時の波に飲まれ、もう何も見えない、聞こえない。

「因果応報。悪党には必ずそれ相応の報いがくるんよ・・・美佳」