それでも世界はまわる -white snow-

「でも一年前っつったら思い出すなぁ・・・あの韓国旅行。あれがきっかけで結婚を考え始めたんよね。懐かしい」

そうみたいだな、と校長も相づちを打った。

「韓国旅行・・・一年前!? ね、今日って何年何月何日!?」

「どうしたん、急に・・・。大丈夫?」

「いいから!」

握られている左手に右手を添えて、さらに強くきゅっとする。

「あんた、変なこと聞くね・・・平成十四年一月十日じゃろ」

「平成・・・十四年・・・」

確かに美佳が韓国交流の話を聞いたのは中学三年の時で、平成十三年だった。