それでも世界はまわる -white snow-

一通りそれが終わる頃、校長は革製の椅子を立ち、二、三枚程度の紙を持ってこちらへ向かってきた。それはホッチキスで綴じられていて何かの書類のように見えた。

「五月十四日の神楽くんの誕生日に合わせた君たちの結婚式。仲人としてとりあえず全ての企画をしてみたんだ。
 二人で目を通して、注文があったら遠慮なく言ってくれ」

「・・・え?」

「ありがとうございます」

りおんは愛くるしい笑顔で、その原案書を受け取る。

その表紙にははっきりと「神楽家・風吹家 結婚式のイベントレイアウト」と太い黒字で書かれていた。