「それより早う行ってこい」

「あ、はいっ!」

美佳は慌てて飛び出した。
とはいえ校長室への道も分からないので、一番近いドアから教室を出ようとする。

「そっちから行くと神楽に会えないぞ」

急いで方向転換。回れ右。

(確か神高って校舎が三つの棟に分かれとるんよね・・・。えっと、校長室は・・・?)

走る美佳の胸で、県立大神山高等学校の校章が揺れていた。


   *      *      *