それでも世界はまわる -white snow-

「いや・・・それくらいは分かるって」

「じゃ、何が分からんのん?」

「・・・うーん?」

美佳は首を軽くひねった。

「なんだろぉ・・・あたし、何混乱しとるんじゃろーね・・・」

分からないことばかりで、もう何が分からないのかも分からなくなっていた。
 
「うわーん! りおん君、どーしよっ! 韓国だって韓国! パスポート!」

「はぁ? 落ち着きんさいや、美佳」

美佳はぶんぶんと手を振り回す。
もちろんりおんを掴んでいる左手も大胆に動かしていて、巻き添えを喰らいりおんも揺れていた。