それでも世界はまわる -white snow-

「少し大事な話があるんだよ。そんなに長くはならないから、立ったままでいいかな?」

「はぁ・・・」

美佳は曖昧な返事、りおんは黙ったままという状況だった。

だが、校長の顔はりりしく、いつになく頼もしく見えた。その笑顔には余裕さえ感じられる。

「十二月の初めに、梅里市が韓国の順天と、いわゆる・・・姉妹都市契約を結んだのは知っておろうね?」

梅里市は、水瀬や羽田があるこの地域の県庁所在地だ。

「はい」

「それで?」

りおんが先を促す。