あらゆる事象には原因と結果がある。そして始まりと終わりがある。降り止まない雨が無いように、この戦争にも終わりがきた。

 戦争には勝者も敗者もなく、どちらも傷つき、拭いきれないものが残った。

 何が残ったのだろうか? 何も残さなかった。しかし人々は"何か"を得たのである。

 戦争ほど悲惨なものはない。

 戦争ほど人を不幸にするものはない。

 ある桂冠詩人の言葉である。

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 戦争が終わり、しばらく混乱はあったものの、人々は再び安堵し、国を建て直そう、家族を安心させようと平和をまた一から作り直し始めた。

 シェイン族も例外ではない。
 彼らは二度と同じことが起きないようにと行動を起こした。大国のエゴに振り回されないよう、民族が一致団結し、国際社会に認められ、差別を無くそうと。自分たちの国家を作り、社会に貢献できるよう努力し、力をつけ、連合に加盟し独立しようと。