「俺らも、始めは遥翔とは全く話さなかったんだ」
「あっちも一線をいつも引いててね、こっちも声掛けずらくて」
「でも、そんな遥翔が変わりだしたのは、初めて全国模試があったときからだよ」
全国、模試―――?
それは確か、
小学6年生の時だったはず。
「…何で―――」
それと私の関係性がイマイチわからない。
…全国模試でも私と彼の接点はなかったもの。
「多分憶測だけど、始めは遥翔も白蕗さんの名前なんて気にしていなかったんだと思うんだ。
自分は一位で、自分の上はいないんだから」
そう。
あまり記憶に残らないはずなの。
自分よりも下の名前なんて。
なのに―――。
「だけど、何年も何回も行う内にさ、名前が見えてきたんだと思うんだ。
いつも、自分の下にある、特定の名前が」
もしかして―――。


