「でもそれって…」
「…辛いよ。
でも、それが私に与えられた運命だと。
…そう思うしかないじゃない?」
「…」
何も言えなかった。
きっと、私よりも年下だろう。
なのに、
こんなにも大人な考え方が出来るなんて、本当に尊敬する。
自分がどれだけ今まで自由に暮らしていたか、
どれだけ今まで何も苦労もせずに生きてきたか。
―――何だかとても情けなくなってくる。
それに、世界には私なんかよりも苦しい人、辛い人、沢山居るのに。
私達がいる日本は、世界から比べたら平和で、恵まれていて、生きてゆくのに何もほとんど支障なんてなくて、みんな平等で。
貧困の差が激しく、何もない、争いばかりが起きているために、悲しく辛い思いをしている人だって居るのに。
それに比べたら、
こんな悩みなど何でもないのに。
私は外見だけ大人で、中身はまだまだ未熟で、精神は子供なのかもしれない。


