「…なぁんて言ってみたり」
「え?」
もしかして、もしかすると。
「雛鞠、ちょっと言ってみたかったのよぉ」
「雛鞠…」
「…」
さすがの海堂先生も苦笑い。
…私は『え?』とでも言いそうな顔。
…本気で取っちゃったよ?私。
だって、すごく真剣で―――。
…雛鞠さんは、女優に向いていると思う。
「でも、わからないじゃない?
この先の未来のことなんて誰にも。
私が今、こういう考えでも、未来では違う考えかもしれないじゃない?
それと同じだもの。
いつ、何が変わるかなんて、私たちにはわからない。
そうでしょう?」
まるで雛鞠さんは私の考えを知っていて、私の中の考え方を深めようと、広めようとしてくれてる?


