「なんだぁ…。 マンガでよくあるお決まりのパターンかぁ…。 勿体ないなぁ、こんなに優しそうでカッコいいのに」 ポロッ、とそんな言葉が私も出てきた。 それが、 「…言ってくれんじゃねぇか」 墓穴を掘ることも知らずに。 あ、やばい。 そう思ったときには、もう遅かった。 「…今の、口に出てました?」 「思いっきりな」 「…」 「…」 「えへ?」 「可愛くねぇよ」 ヤバイ、怒られるかも。 とヒヤヒヤしていたのは本当だけど、 相手が素を出してくれたことで、 私も少し気持ちが楽になった。