「そのネクタイ、いつ買ったの?」 「ああ、これはさっきお義兄さんに頂いたんだよ」 「お兄様から?」 「『俺には似合わないから』と」 「…そう」 お兄様が人にものをあげる、というのは仕事上以外だと本当に自分がお世話になった人、だとか、好きな人にしかあげないのに。 …よかったと思う自分がいた。 嬉しくなる。 少し、心配していたのだ。 お兄様に、遥翔が受け入れられているのか、って。