遥翔とお兄様は正直言って仲がいいのか悪いのかよくわからない。
が、まぁいいビジネスパートナーであることには変わりがないのだろうが。
また相澤と白蕗が共同で何かする、みたいな企画があるようで、遥翔もいつになく燃えていると、秘書課の皆さんから話は聞いている。
ああ、何で秘書課の人と連絡を取っているかと言うと、私の学校の後輩の子が家が倒産しやみたいで、その子をウチの会社で秘書として採用したのだ。
勿論、面接なんかもみんなと同じように受けた上で。
で、その子にいろいろと教えてもらっているのだ。
「あら、更紗。
遥翔さんや拓哉はどちらに行かれたのです」
「遥翔がちょっと着替えたいと言ったので、お兄様のお部屋を借りて着替えています」
「そう。
…更紗、結婚生活はどうですか」
「え…あ、楽しいですよ。
ちょっと前にいろいろありましたが、でもそれでも楽しく、…円満にしているつもりです」
「そう。それならいいのよ」
お祖母様は自分のことのように喜んでくれているのが目に見えてわかる。


