「遥翔さんはまだお仕事か何かですか?」 「ああ、ちょっと会社内で不備があったみたいで…」 「あら。それは大変ですね」 「それが仕事ですからね」 「そうね」 ふふ、と叶夢さんと2人、笑った。 叶夢さんは本当にできた人で、兄様と喧嘩しているのなんか見たことないし、常に旦那を立てている、ような。 ほんとう、女の風上に置きたい人だ。 「あら、更紗」 「お祖母様、新年明けましておめでとうございます」 「遥翔さんがいらっしゃらないようだけど…」 お祖母様がそう言った瞬間、