――――その後。 「ママー!」 「奏紗、暁煌!」 「…っ」 家の中に入ると、奏紗と、何も言わずに奏紗の手を握り締め、抱きついてきた、暁煌。 ごめんね。 暁煌、奏紗。 「お帰りなさい!」 「ただいま、奏紗」 「…」 「暁煌、ごめんね、奏紗を見てくれててありがとうね」 「…もうどこにも行かない?」 普段の暁煌からは想像つかないような、甘えっぷりに私は母親として最悪なことをしたんだと改めて思い知った。