それから私は桜柄の薄いピンクと白が主体の振り袖を着て、メイクもして、完璧体になった。 …元がよかったらよかったのにな。 なんて思いながらも。 私は鏡の前に座って、ボーッと眺めていた。 「何をしているの。行きますよ」 「あ、はい…」 早いな、お祖母様。 歳を感じさせない行動力とリーダーシップ。 これが、白蕗家当主の妻なんだと皆が驚く理由なのだ。 …私は、あんな風にはできない。 どう考えても、どうしても。 …なるべくしてなった、お祖母様を尊敬する。