きっと私は一生、『幸せにしてあげること』はできないんだろう。 だって私は遥翔に勝たない限り、 ―――遥翔に『幸せにしてもらう』んだから。 これならずっと、 勝たないでいたほうが得だよね。 「まぁ、そうだけど」 「それ…ちょっと嬉しくないかも」 「だけど」 「ん?」 「もう十分、更紗には幸せにしてもらってるよ」