真剣な目付きで私を射ぬくように見る父様。
「…白蕗家は名家中の名家だ。
…俺はいつも更紗達に『白蕗家の者としての誇りを持て』と言ってきた。
…見合いは、白蕗の…言わば繁栄の為にするんだ―――。
それにお前は耐えられる自信があるか?」
…わかってる。
私がお見合いすることによってもしかしたら恥曝【はじさら】しになるかもしれないってこと。
だけど、それがお祖母様方の望まれたことなら。
私は応えてみせよう。
…兄様のように。
「…私は必ず、お祖母様方の期待に応えてみせます」
…不安や迷いがないわけではない。
だけど兄様にもできたんだ。
だから私にもできないことはないはず。
だから、
「…兄様方には及ばないとは思いますが、私は私なりに期待に…白蕗の為に頑張りたいんです」