正式に、 まだ“婚約者”ではないけれど。 それでも。 「私はあなたが、 ……遥翔が好きだから」 好きだから、 私は遥翔と、 同等の立場でいたいから。 『あれが相澤の婚約者なんでしょう?』 『あんなのが…婚約者だなんて恥ずかしいわね』 『白蕗も落ちぶれたわね』 こんなふうに、 ―――言われないように。