「…本当に…。 まだ、いるでしょう?」 …実は、 確信したのは、この香りがしたから。 ―――柑橘系の、この香り。 「…さすが更紗だな」 出てきたのは、 ―――察しの通り、よく知った、彼だった。 「…やっぱり…」 「いつから気付いてたんだ?」 …私はあなたのことならわかる気がするよ。 「…家から出てすぐよ。 …どうしてストーカーみたいなことをしたのよ。 …―――遥翔」 そう。 遥翔だった。