「私は…お兄様のように強くならないと」

「…え?」



突然訳のわからないことを言ったから、びっくりしたのだろう。



「…兄様は、大学に通いながら副社長という重役に就いておられて、日々プレッシャーの中で過ごしておいでなのに、
私は兄様に守られて、お見合いでさえ…したことがなかった」



そんなのはもう、許される年じゃない。

誰かに守られるような年じゃない。


だからこそ、


「“お見合い”をすることで、何かかわれるかな…」



…本当はしたくない。

ちゃんと恋愛をして、付き合って。

そんなことがしたかった。


だけど、
それが許される家じゃないから。



「…私は逃げてばかりじゃだめ。
一歩を踏み出したい」



私は強くなりたい。

逆境も乗り越えられるような。


そんな人に。