「これからはその“更紗を守る役”はあなたではない」 「…は?」 すごく不機嫌そうな声で、遥翔を威圧する兄様。 …どういうこと、なの? 私を守る役は、兄様じゃないって。 すると、遥翔は綺麗に笑って、 「これからは、俺ですから」 ―――そう言った。 動揺や絵本のお姫様の気持ちがわかったような気がした。 …ドキドキした。 ううん。 ―――ドキドキ、なんてものじゃない。 心臓が張り裂けちゃいそうなくらい、胸が高鳴ってる。