「…え?」 「…何も『付き合おう』だとか、『好きだ』とか。 前置きも何もなく急にキスされて、だから辛かったの」 「…成程な」 「…ごめんなさい。 …また私は遥翔を信じれなかった。 私が遥翔を嫌がるんじゃない。 遥翔は…こんな私は嫌でしょう?」 こんな面倒くさくて、嫉妬深い女なんて嫌に決まってる。 …でもそう言われるのが怖くて、聞きたくなくて。 ―――耳を塞ぎたくなる。 けど、