「それでも、彼女さんなんでしょう?」 「は?」 …今、私。 何て言った? 「きっと彼女さん、勘違いしたのよ」 何で。 「…更紗」 何で。 「…私は明日、言ってくるから」 口が、止まらない。 「…何て?」 …止まって。 「…私達は、『ただのお祖母様が交わした口約束の婚約なだけだから』って」