Platinum Kingdom【完全完結】




命令口調で淡々と私に言う彼…じゃなくて、遥翔。

…慣れないよ。
できないよ。

男の人の名前を呼び捨てで呼ぶだなんて。



「…む、無理で―――」



無理ですと言おうとしたのに、


「無理なら、今ここで俺にキスしろ」

「はい!?」

「どっちかだ」



む、無茶苦茶だよ…っ。

―――“呼び捨て”か“公然でキス”だなんて。

どっちかなんて決まり切っているけれど、絶対どっちも無理!

恥ずかしいんだもん。



「あ…の」

「ん?」



そんな悪ガキのような、小学生の好きな子を苛めるような、ニヤっとしたような顔で見ないでよ。