私は体育館へ行き、扉を少し開けてみた。
するとやっぱり入学式の真っ最中。
私立だから中高一貫で入学式をしているため、在校生と新入生で体育館はいっぱいだ。
この中に一人で入っていく勇気なんてない。
仕方ないから、終わって体育館から出てくるのを待つことにした。
あたかも入学式に参加していたように、列に戻る作戦だ。
我ながらいいアイデア。
そう言えば、優斗たちはどうして私がこの学校の生徒だってわかったんだろう?
少し頭をひねるけど、心当たりがすぐに見つかった。
私、制服着てるじゃん。
「なんだ〜、だからか」
一人納得しながら教室へ向かう。
あれ、けど優斗たちと会った地元からはここは遠いから、知らないんじゃ…
あ、けど有名校だし知ってたのか。
なんて、また自分で解釈してしまった。