大丈夫なはずがない。

彼がどれだけ強いかは知らないけど、1人で7人なんて無理だ。

私のせいで死んじゃったりしたらどうしよ…




そんな嫌な考えも浮かんでくる。




「俺、優斗(ユウト)っす。えっと…、あなたは?」

「…私は能瀬千春(ノセチハル)です」




ボーとしていた私に、無邪気に笑って話しかける優斗くん。

少し躊躇いながらも、私は名前を教えた。




普段なら知らない人に名前なんて教えない。

ましてやヤンキーなんて、絶対教えない。

だけど彼らは助けてくれたし、教えなきゃ失礼かなって…