「………本心か?」


「ああ」


オレと勇の間に、長い沈黙が流れた。


入学式の日は確かに軽い気持ちだったのかもしれない………ソレは認める。


だけどまだたった数日だけど、クラスの福田を見て来た。


天然でも、明るくて真っ直ぐで―――……困ってる人をほっとけない、純粋な女だった。


オレを“優等生”や、“王子様”として扱わない女子は、福田だけ。


殆ど口を聞いてないけれど、アイツの笑顔を傍で見ていたい――――…そう思って来たんだ。


「勇……分かってくれねぇか?」


オレは勇を見据えた。