マイルド・ガールとワイルド・ボーイ

これ以上期待して、落ち込むのは嫌だった。


―――――期待?


私、何に期待してるの………?


連右へのワケ分かんない感情は、全部忘れたハズじゃない。


今更、何に――――……


バチン!!


急に額に痛みが走った。


「イッタ……!?」


思わずオデコに両手をやり、周りを見渡す。


「ボーーッとし過ぎだって、紀香」


犯人は………数学の勉強を一緒にしている留雨だった。


「な、何今の!?」


「デコピン」


「なっ………」


お、女の子にデコピンって、ヒドくない!?


「バカ留雨!」