悲しそうな声を出してる、意味も分からない。


数学の問題より、こっちの方がよっぽど難しかった。


「留雨……離して」


私の声も足も、震えていた。


そんな私の願いに逆らうみたいに、留雨の力は強くなる。


「留雨、離してよ!!」


「もう、限界だ…………」


強く強く、抱きしめられた。


何か起こりそうな気がする……


留雨は切なそうな顔を上げて、私にこう告げた。







「紀香――――……ずっと………ずっと………好きだった」



―――――今…私



なんて言われた………?