「留雨、別に走んなくても……」


「―――オレが早く来たかっただけ。紀香、勉強始めよう」


チャッチャと勉強道具を取り出す留雨。


留雨、こんな時間にキッチリしてたっけ………?


「紀香?」


あっ、ダメダメ、勉強しなきゃ!!


「そうだね、始めよっか!!」


私もシャーペンや消しゴムを出して、ノートを広げた。


教えて貰うんだから、しっかりやんないと!


「今日は何やるの?」


「今日は、こっからここまでやるぞ」


ワァ……難易度高………


「平気だって。分からなかったら教えるから」