だけど紀香は来てくれて、ドアを開けた瞬間引っ張り込んで抱きしめた。


前と変わらない甘いニオイに、心臓が速くなる。


相ケ瀬が昔の同級生だと紀香本人から聞き、何となく元気が無いオレを紀香が心配し始めた。


頭をナデナデされるオレ………


“元気が無いとツライ”と言われたら、不安がフッ飛んだ。


――――そうだよ………何不安がってんだよ。


オレは絶対相ケ瀬には負けない。


紀香は―――……渡さない。


「………戦ってやる」


オレは、相ケ瀬留雨と戦う事を決めた。


大切なものを、守る為に。