「連ー右?何考えてんの?」


目の前で紀香に手をブンブンされ、意識が戻った。


「何でも……ない」


「そう?ならいいけど」


一夜明け、月曜なので紀香と屋上で弁当を食べているんだけど………箸が進まない。


ため息をつき、弁当箱を置いた。


「連右…?おいしくなかった?」


不安そうに聞いて来る紀香。


「イヤ、ウマイよ。ただ食欲無いだけだから」


「大丈夫?カゼ?昨日は元気そうだったけど―――…」


“昨日”


食欲が無いのは、カゼなんかではなく………夜見た悪夢が理由だった。


どうして……あんな夢………