お弁当食べ始めてから、話はしてたハズなのに―――…話題は尽きなかった。


「そろそろ帰るか、紀香」


レストラン内ではさすがに帽子を取った連右は、超女性客の注目の的。


改めてモテるんだと実感したわ……


「―――分かった」


水族館を出て会話をしていたベンチから立ち上がる。


………なんか………寂しい。


“離れたくない”って思っちゃってる自分が……いた。


暫く歩いていたら、突然連右が立ち止まる。


「どしたの?」


「………紀香、手出せ」


意味が分からなかったが、私は言われた通り右手を出す。