よく見ると……福田の右手の掌から、血が流れていた。


え…ヤバくね?


キョロキョロ周りを見渡した福田は、コッソリ…多分保健室に行こうとしていた。


当然1人で行かせられるワケ無くて―――…オレもコッソリ福田に付き添う事に。


どうやら壊れたラケットが入ってたらしく、ソレで切った様だ。


保健室に着いたが保健医もいなくって、オレが手当する。


「痛くない?福田さん」


「うん……大丈夫」


そう言う福田の目はちょっと涙目で………全く痛くないなんて無いよなぁ。


オレはなるべく早く、包帯を巻き終えた。