そう言えば、あの頃だったな。 …湊斗が私に愛を囁くようになったの。 『なぁなぁ、陽愛』 『んー、なぁに?』 『好きだよ』 『…私も』 あの周防公園は私達の思い出がたくさん詰まった場所。 告白も、…別れも。 周防公園は私の宝箱。 周防公園に行くだけで、 『好きだよ』 『おーい、陽愛ーっ』 『はーるな?』 愛しいあなたの声が綺麗に蘇【よみがえ】るよ。 『愛してる』 真剣な眼差しと共に言ってくれたその言葉も。 何もかも。