まあ沙羅になんかあるとは思ってたけど…


正直ここまでとは思わなかった。



沙羅は自分をどう思って生きて来たんだ?


母親に親父の信頼性を守るために。

兄貴の機嫌とりのために…。


話しながら微かに笑みを溢す沙羅を見て思った。




人間的に扱われてこなかった…

一人の人として接して貰えなかったこいつは…



どんな思いで…

どんな気持ちでここまで来たのだろう。



男子校に来たのは、

本当に兄貴や叔父がいるからだけなのか?




もしそうであっても…


沙羅自信はそうだとは思わないだろうな。


捨てられたと思うのか?

やっと解放されたと思うのか?